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CLUB96's interview with Tsukasa Takenaka was the forty-eighth interview conducted by the official BIOHAZARD fanclub.

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――ついに、『バイオハザード リベレーションズ アンベールド エディション』(以下、『UE』)が発売となりましたね。


竹中司プロデューサー(以下、竹中):そうですね。やっとここまで来れたと感
慨深いものがありますね。タイトルが発表されてから発売日までは4ヵ月ちょっとと短かったんですけど、発売までが長く感じましたね。発表した当初は、「移
植されただけでしょ?」なんて思われているところもあったりしたんですが、情報を出していくに従って、皆さんの期待が膨らんでいったのが実感できました。


――メディアの評判もよいようですね。


竹中:はい、実は先日メディア向けの体験会を実施したのですが、皆さん楽しんでいただいていて、終了間際にどなたかが「セーブデータ持って帰りたいなあ」って、お連れの方に話している声が聞こえたんです。そこまで楽しんでいただけたんだと、本当に嬉しく思いました。


――そんなことがあったんですね。『UE』はハードが4機種と多岐に渡っていますが、まとめる立場としてはとても大変だったのでは?


竹中:オリジナル版をどうやって据え置きハードに持っていくか、また各ハード
なりの特色がありますので、そこをどう活かすかに苦心しましたね。コンセプトとして、どのハードのお客様に対しても同じ体験をしていただくっていうところ
は気を遣っています。各ハードで映したときに、どれかが極端に画質や操作感が悪いということがないようにと。


――確かに、機種によって発色が若干違いますよね。


竹中:はい、同じ場面を出していても、色味の微妙な違いがあるので、その部分をひとつひとつ丁寧に調整していきました。ですので、どの機種でも同様に楽しんでいただけるようになっています。


――ユーザーにとって、自分の好きなハードで遊べるというのはうれしいですよね。ところで、『UE』をニコニコ超会議2(※1)で体験されたユーザーさんもいらっしゃったと思いますが、反応はいかがでしたか?


竹中:それが、すごい長蛇の列ができまして……。皆さんが期待してくださって
いるのをヒシヒシと実感できて嬉しい反面、お待たせして申し訳ないというお詫びの気持ちでいっぱいでした。ニコ超ではWii
U版を出展したのですが、ゲーム自体を楽しんでくださっているだけでなく、Wii Uの機能をいろいろと試されている方が多く見られましたね。Wii U
GamePadの触り心地だとか、1画面モードにしたときにどうなるのかとか、積極的に試してくださっていて。皆さんの興味の深さというのが実感できまし
た。


――なるほど。実際に触らないと分からないこともありますもんね。


竹中:ええ。先ほど、各ハードでの遊びの感覚を整えることを言いましたが、
Wii UはやっぱりあのWii U
GamePadが特殊ですよね。「新しいものに挑戦したいよね」という作り手側としての気持ちがあったので、オリジナル版にあった2画面での画面分割での
遊び方や、タッチスクリーンを使った操作などを試みました。また、Wii U
GamePadだけで遊べるようにもしています。会場では、体験版と同じステージと、レイドモードをプレイしていただきました。レイドモードは追加キャラ
クターのレイチェルとハンクもプレイできるようにしていました。やっぱりレイドモードはその追加の二人で遊んでいる方が多かったみたいです。レイチェルは
とくに日本で人気があるということもあって、彼女でプレイしている方が多く見られましたね。


――やっぱり、彼女は人気ありますね。


竹中:ちなみに、レイチェルは日本とアジアで大人気なんですよ。ショップなど
で使われる等身大ポップってありますよね。香港と台湾では、それがレイチェルとジェシカだったり(笑)。もちろん、メインの大きなポスターはジルなんです
けど、等身大ポップはあの露出多めの二人で(笑)。


――主人公を押しのける勢いですね(笑)。


竹中:『リベレーションズ』は海外テレビドラマを意識していて、ひとつの事件
の中に、ふたつのエピソードが並行して進むような群像劇の手法を取り入れています。その場合、主人公以外のキャラクターもある程度、個性づけをしていかな
いと印象に残らないですよね。ですので、『リベレーションズ』は『バイオ』シリーズにしては強めの個性づけをしているところがあります。


――キース&クエントのコンビなんて、まさにそうですよね。


竹中:そうですね。この二人でもう1本、別の『バイオ』を作ってくれよ、なんて声もいただきました。


――ちなみに、その予定は……?


竹中:今のところはないですね(笑)。でも、『バイオ』シリーズはこれから先
も続いていきますし、僕らも常にファンの皆さんが何をやったら喜ぶのかを考えています。例えば『バイオ6』だったら、このふたりが共演したらファンは嬉し
いだろうなということで、レオンとクリスの共演が実現しました。


――では、いつかリベレーションズのキャラが再登場なんてこともありますか?

竹中:今後のシリーズで、「そういえばキースっていたよね」とか、「ジェシカ
とレイモンドが最後にああなってたな」というのがストーリーにうまく繋がったり、ファンが喜ぶとなれば、十分ありうると思います。キースなんかは、
BSAA東部アフリカ支部のエースになるので、どこかで出てきてくれるのではないかと思っているんですけど(笑)。


――期待が高まりますね。そういえば、レイドモードにハンクが出ますよね。


竹中:実はハンクは『リベレーションズ』の本編の方にも出そうかなって話も
あったんです。数年前のE3(※2)で発表したコンセプトムービーに、ハンクっぽいキャラがチラっと出てきてるんですよ。あれがいろいろゲーム開発を進め
ていくうちに、”ガスマスクの男”へと変わっていったんです。それで今回、ファンサービスも兼ねて、満を持して登場となったわけです。


――そういう経緯があったんですね。そういえば、ダウンロードコンテンツ(以下、DLC)でレディハンクというコスチュームがありますが、こちらは?


竹中:ぶっちゃけてしまいますが、ハンクの女性バージョンという以外は細かい
設定はないんです。元々、オリジナル版開発時に、デザイナーがお遊びで描いたもののひとつだったんです。それがなぜか、開発室のホワイトボードにずっと
貼ってあったんです(笑)。みんな気に入っちゃって。その頃は、レディハンクって名前はなくて、「ハン子」って呼ばれてたんですよ(笑)。


――ハン子! かわいらしいですね。


竹中:今回、『UE』の開発が終わってDLCでコスチュームを作ろうというと
きに、レイチェルは感染レイチェルの姿がありますけど、じゃあハンクでそれに該当するものは何だろうとなったときに、「そういえばハン子がいたよね」と。
エクストラコスチュームって、やっぱり遊び心が大事かなと(笑)。


――なるほど、レディハンクはそうやって生まれたんですね。遊び心と言えば、今回はコラボレーションが盛んですね。


竹中:そうですね。シューティングバーEAさんとのコラボが実現したり、ミリタリーブランドのアルファさんにウェアを作っていただいたりして。そうやってソフトの外側からも盛り上げていただいているので、本当に嬉しいですね。


――ジルが着ているイラストを見ましたが、あのN-3Bのジャケット、かっこいいですね。クリスやパーカーのウェアもあるんですよね。


竹中:ええ、一応それぞれちゃんとしたコンセプトを考えて作っているんです
よ。N-3Bは、本編に出てくる雪山のような所へ着て行く、現場で対応するための服なんです。クリスモデルのM-65は、背中に大きくBSAAって書いて
あるんですが、これは捜査や現場検証などに行ったときに、自分の所属を明らかにするためのジャケットなんですね。


――テレビなどでFBIって書かれたジャケットを目にしますが、あれと同じ役割なのですね。では、パーカーモデルのMA-1ベストは?


竹中:あちらは、基地内で機材の整備などをやるときに着る、作業着のイメージですね。でも、デザインとしてはそれぞれ自然に着ていただけると思いますよ。


――確かに、どれもさりげないデザインで着やすそうです。それから、東京マルイからジルモデルのサムライエッジも発売されるんですよね。

竹中:そうなんです。今回、サムライエッジA1のジルモデルが実現できたの
が、個人的にもすごく嬉しくて。僕は最近の『バイオ』のエアガンのコラボを担当していて、例えば『バイオ』シリーズ15周年のときに出したサムライエッジ
のクリスモデルや、バリーモデルの再販監修をしていたんです。『バイオ6』のセンチネルナインの制作も担当していて、その時に東京マルイさんに「実は今、
ジルを主人公にした作品も作っているんですよ」ってお話をしたんです。そうしたら、サムライエッジのジルモデルを現在の新しいメカ(銃)に載せ替えた完全
新作として出しませんか、という話が、僕と先方のどちらからともなく持ち上がったんです。実は、15周年のときはジルモデルのサムライエッジだけ再販され
ていなかったこともあって。それで今回のコラボに至ったわけです。


――素敵なお話ですね。


竹中:ゲームのほうでも、早期購入特典のサムライエッジって、昔のサムライエッジと違って、M9A1モデル仕様になっているんです。よく見ていただくと分かっていただけるんじゃないかと思います。


――それは要チェックですね。それはそうと、竹中さんは銃にお詳しいですね。


竹中:いやあ、この業界の人なら皆さん詳しいんじゃないでしょうか。まあ、40年間もオタクやってるからですかね(笑)。


――ほかに、開発中のエピソードなどがあればお聞かせください。


竹中:先ほどのニコ超の出来事なんですが、開場前にアメリカ軍の兵士の方が、
カプコンのブースを通りかかったんですね。在日米軍のブース出展のためにいらしていた方だったんですが、「あ、コレResident
Evilじゃないか。出展されてるんだったらちょっと遊びたいなあ」って、通訳の方を通じて声を掛けてくださったんです。一般で来場されたファンの方には
申し訳なかったのですが、せっかくアメリカから日本にいらっしゃってますし、同じ出展者のよしみということで、少しだけプレイしていただいたんです。


――それで、反応はいかがでしたか?


竹中:すこぶる良かったですね。驚いて欲しいところで思いっきり驚いてくれたり。彼らのプレイを見ていて、やっぱり『バイオハザード』って世界中で愛されているんだなって実感しましたね。


――そうだったんですか。では、そのほか社内のエピソードとしては何かありましたか?

竹中:そうですね、僕が開発室に顔を出す度に何かしら要素が増えていたことで
すかね。カプコンのスタッフっていい意味で貪欲なんですよね。というのも、お願いした仕事が10くらいのボリュームだとしたら、10で収まって戻ってくる
ことってあまりないんですよ。インファーナルっていうモードを入れたらどうかと思うんですけど。というかもう始めちゃってます」とか(笑)。そんな感じで
進んでいったことが多いですね。


――そうでしたか。言われた側としてはビックリですよね。


竹中:でも、ディレクターやスタッフを信用しているので、不安はなかったです
ね。レイドモードなんかは特に、井上ディレクターが「こうしたほうがいい」っていろいろ手を加えています。細かいことなんですけど、途中でステージを断念
したときに、それまで獲得した経験値や武器がちゃんと手に入るようになったり。オリジナル版のときは、そこまでの成果が無かったことになってしまっていま
した。これにより、前半のステージで稼ぎプレイをしなくても、少しずつでもプレイを進めることで強くなっていけるようにと配慮したそうです。


――それは嬉しいですね。


竹中:カプコンのスタッフって、お客さんのことを考えて、自分たちができる最大限のことをやっていこうと意識している人が多いですね。そこはプロデューサーとしても嬉しいことですね。


――お話は少し変わりますが、『UE』も”Resident Evil.net”に対応されるとのことですが。


竹中:『バイオ6』の発売から立ち上がったRE.NETのサービスですが、当
初から『バイオ』シリーズがここに繋がっていくことをコンセプトにしています。今回、『UE』がここに加わることで、僕らが考えていた形にまた一歩近づい
たと思っています。最初のアカウント登録などに少し戸惑われたりすることもあるかと思いますが、乗り越えていただければ、繋げておくだけでお得な要素が
あったりするんですね。


――定期的に実施されているオンラインイベントなどでしょうか。


竹中:それもありますが、『リベレーションズ』はレイドモードでストアがありますよね。そのストアとも連携しています。ですので、RE.NETでバーゲンイベントが開始されれば、自動的にゲーム内ショップの武器や消耗品などが安くなっているんです。


――それは便利ですね。ユーザーはとくに何もしなくていいわけですよね。


竹中:そうなんです。RE.NET開始時の登録だけちょっとお手間を掛けますが、登録だけしておけば『UE』がより楽しくなるはずです。


――RE.NETで自分やユーザーのプレイデータを見ると張り合いがありますし、さらにお得とくればやらない手はないですね。では、最後に、読者の皆さんへメッセージをお願いします。


竹中:『リベレーションズ』は、『バイオ5』、『バイオ6』へと繋がっていく
キーとなるストーリーを描いている作品なので、ぜひ遊んでいただきたいです。もし、『5』や『6』を遊んでいないという方は、まず『リベレーションズ』か
ら遊んでいただくのもおすすめです。「『リベレーションズ』であんなに活躍したジルが、『5』であんなことに!?」など、より深く楽しめると思います。
また、『リベレーションズ』は、ジルとクリス以外は、全部オリジナルキャラクターなので、昔から続く『バイオ』シリーズの流れを知らなくても、すんなり
入っていけると思います。ゲームとしても『バイオ』らしい内容となっていますので、『バイオハザード』がどんなゲームかを知るには最適な一本だと思いま
す。
それから、『リベレーションズ』のオリジナル版も遊ばれた方にも、ぜひ『UE』を体験してほしいですね。いろいろと、新たな発見があると思います。僕自
身、例えばクリスの雪山装備の腰回りの装備品のディティールがしっかり分かってハッとしたことがあります。救急ポーチにちゃんとハサミが挿し込まれていた
りするんでよ。こういう発見は、大画面で遊ぶからこそのものですよね。
それから、インファーナルはカプコンからファンの皆さんへの愛ある挑戦状とでも言いましょうか。1回目のプレイでは新しい発見を楽しみつつ、2回目以降は
ゲームとしての新要素を体感してほしいと思っています。ゲームの楽しさはそのままに、バランスを再調整していますので、もう一回やり込んでいただいても満
足いただけると思いますので、ぜひ遊んでみてください。

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