The Art of Resident Evil 5 (originally known as "Biohazard 5 Official Art Works") is an art book that consists of concept artwork for Resident Evil 5 and was originally published in Japan shortly after the game's release in 2009. It was translated into English by Udon Entertainment. The book includes rejected designs and costumes for characters and ends with a question-and-answer section hosted by chief producer Jun Takeuchi.

Interview transcript

――まずはタイトルロゴのデザインコンセプトについてお聞かせください。

Takeuchi: 実はこのロゴになる前に、 ちょっと違う形のロゴを出していた時期もあったんです。 大地が割れて、 そのひび割れが”5”の形になるというデザインが過去にありました。 その頃からずっと一貫して 『バイオハザード5』という作品のカラーは”サン・ライト・イエロー”とか、 ”サン・ライト・オレンジ”です。 そういった色をロゴなどに使っていこうじゃないかと進んでいました。

――サン・ライト=太陽の光のようなイメージですか?

Takeuchi: そうですね。 太陽のような明るさでもあり、また、炎のイメージもあるので、 必ずこの色(イエロー)と、 黒を組み合わせた形でいろいろと展開していこうと考えました。 実はさまざまなものを模しているというか、 隠喩しているというか。 今回クリスは昌頭であまりポジティブなことは喋らずにスタートします。 相棒を失ったこともありますし、どんどん世界にテロが拡散していく中で、 どちらかというと晴れやな気持ちからスタートするわけです。 そのクリスの内なる部分に残っている光明、 そういったところも表現できれば、と。 それから、 ロゴにもまとわり付く血管や葉脈みたいなものは、 アフリカのイメージと、 『バイオハザード』シリーズならではのモチーフである ”ウィルス” や ”感染” といったものとか、いろんな要素が混ざり合っているんです。

―――では、 作品におけるテーマとはなんでしょう?

Takeuchi: やはり今回もテーマは”人間”にフォーカスしています。 ウェスカーが「闇」で、 クリスが「光」というようなコントラストは、 シナリオにも盛り込んでいます。 例えば映画『ゾンビ(原題:DAWN OF THE DEAD)』(1978)でも最後は”人間が一番怖い”という方向に持っていってる作品だと思うんですけど、『バイオハザード』でも洋館も事件があったり、 いろいろと凄惨な出来事があったりしても、 結局はウェスカーという人間が引き起こしている部分もあるわけです。 ”人間”っていうのは、 実はもうひとつの 『バイオハザード』のテーマなんです。

――シナリオや舞台設定は早い段階から決っていたのですか?

Takeuchi: はい。 初期からクリスとウェスカーの物語にしようと考えていました。 ファンの皆されが一番期待されていた部分でもありますので。 そこに応えられたのかなと思います。 スペンサーも『5』の中で詳細までは描いていませんが、登場することは初めから決まっていました。 それらをどういう風にまとめていくのかということが、 今回の一番の重要なポイントだったんです。

――ファンの方からは”まだ終わっていないんじゃないか”という声も聞かれますが。

Takeuchi: そうですね、 これで完全に決着がついたとは、 僕らも思っていなくて。 本作は、 『バイオハザード』の壮大なシリーズの中では起承転結の「転」に当たりますが、 ファンの皆さんにはここで物語が大きく動いて、 結末に向かっていくイメージで捉えていただければと思います。

――新ハードでの発売にあたって、 技術的な試行錯誤はどのように行われたのでしょうか?

Takeuchi: 2004年の開発当初から、 発売までに時間を大きく費やすことは想定されていたので、 なるべくまだ使われていない技術を率先して取り入れていこうと進めていきました。 特に現場は、 数年後にはスタンダードになるんじゃないかということを想定しながらの作業でしたので。 大変な苦労だったと思います。 かなり大規模な構想から開発がスタートしましたので、 現場で縮小しながらも、 良い部分を残してまとめていきました。 それにより現在の処理でもだいぶバリエーションに富んだステージ構成になっています。

――実写に肉薄する緻密なCG表現ですね。

Takeuchi: 実写が良ければ、 実写で撮ればいいという話になりますが、 やはり”ゲーム”なので、 そこにCG的なテイストは入ってこなければいけません。 なおかつ、ものすごくリアルだって感じていただかなくてはなりません。 そのバランスというのが非常に難しいんです。 そういったところの試行錯誤を何度も繰り返しましたね。 リアルといえば、 次世代機になって今まで以上に空気感とか、 光の照射とか、 織細な表現が可能になりましたから、 実際の現実世界のライティングに近いっていう部分と、 あと演出っていう部分の兼ね合いをしっかり調整しました。 本当に発売直近のギリギリまで、 手を加えていました。

――臨場感を重視した演出なのですね。

Takeuchi: 屋内と屋外の両方のステージがありますが、 屋内のライトィング、屋外のライティング、それぞれに気を遣って何度も改良しています。 音も、 実は差別化しているんですよ。リアルタイムに屋内から屋外へ出るようなマップもありますが、中と外では音の聞こえ方が変化しているんです。 少しでも、 皆さんに、 その場にいる空気を感じてもらえればなと苦心しました。

――屋内といえば、暗所での恐怖という従来のバイオらしさがさらに引き立っていますね。

Takeuchi: そうですね。今回のように、暗いところ、つまり黒の中に黒を置くっていうのは、今までのハードではなかなか表現できなかったんです。 実際にウロボロスやウェスカーが登場するシーンはかなり暗いんですが、 それを次世代機のパフォーマンスと、光で輪郭が見えるとか、 質感がちゃんと違って見えるといった演出を加えて、 最終的に 「黒の中に黒」 というのが表現できました。

――ハードの性能をモデリングのみならず明暗のコントラストのためにも引き出した、と。

Takeuchi: やりは、光を表現する時に対になる闇も同じように力を入れないといけません。 『バイオハザード』シリーズは、 そういう表現に対して真剣に取り組み、 ものすごく手間をかけているタイトルだと思います。

――映像づくりはハリウッドで行ったと聞きましたか。

Takeuchi: ええ。 ハリウッドにこちらから依頼をして撮るというスタイルは、 今まもいくつかのゲームであったと思うのですが、 日本側からスタッフがお邪魔して、 ゲームの中に組み込むという形は、 なかなかなかったかと。 そういった意味ではハリウッドも初めての経験だったでしょう。 映画『300』を作っておられたyU+co.さんにお願いして、 そこから現地スタッフを『バイオハザード5』向けに招集して、 制作体制を用意しました。

――激しいアクションやCGテイスト全開のカメラワークが目を引きますね。

Takeuchi: 大きいスタジオで、 実際にバイクで走り回ったり、ロングジャンプをしてもらったり、といった感じで撮影しました。また、 ヴァーチャルカメラという技術を彼らが実験的に作っていて、 今回『5』で使ってみないかとご提案いただいたんですが、 実はまだ映画でも使われていない最新技術なんです。 この技術の導入は大きかったですね。 ヴァーチャルカメラを持つと、 ファインダーを覗いているように、 視界がモニターに映し出されてCGの空間を提えることができるんです。 実際に撮影をされているカメラマンの方が、 カメラ割りを付けていくことが可能で、 スタジオの中では撮れないような遠距離からのロングショットとかハンディカメラの雰囲気を出せたりもするんです。 新しい体験ができましたね。 今までのゲームになかった手法による表現ができたと思います。

――そこも見所ですね。 それでは最後に、 『バイオハザード5』のファンの方々へ、 メッセージをお領いします。

Takeuchi: 私たちが表現したかった、 やってみたかったことを、いろいろと盛り込んだライトルになったと思っています。 そういった部分もぜひ感じながら、 プレイしていただければ幸せです。 「僕はこれで満足だ」、「いや僕はこうしてほしかった」、「想像を超えた」、「いや、想像はもっとこれぐらい大きかった」とか、いろんなご意見がネット上に益れています。 良い意見も悪い意見もひっくるめて、『バイオハザード』はこれだけ多くの人に愛されている作品なんだなと、すごく嬉しい思いがありました。制作中から、 そういうプレッシャーも常に感じていましたから、やっぱり良い意見を拝見した時には、 やってて良かったなって思いますし。 厳しいご意見には、 まだまだこれからも精進して、 もっともっと皆さんに満足していただけるような作品を作りたいと思います。

Sources

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